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パイプ加工の曲げ・溶接・ロウ付けはどう使い分けるか

2026.07.24

  • 未分類

「どの加工で作るか」は、意外と早い段階で決まってくる

パイプ部品の図面を引くとき、形状は決まっていても、それをどう作るかまでは決めきっていないことがあると思います。

一本のパイプを曲げて作るのか、複数の部材を接合して作るのか。接合するなら溶接なのかロウ付けなのか。ここの選び方で、コストも強度も納期も変わってくるので、早めに当たりをつけておくと後が楽になったりします。

曲げ:一本で作れるなら、たいてい曲げが有利

曲げで作れる形状なら、基本的には曲げが有利になることが多いです。

接合部がないぶん、漏れのリスクがないし、強度の弱点もできにくい。工程も少なくて済みます。熱交換器や配管の部品で曲げが多用されるのは、こういう理由が大きいです。

ただ、曲げには限界もあります。曲げRを小さくしすぎると外側が薄くなったり、内側にシワが出たり、断面が潰れたりする。素材や肉厚、径によって「どこまで曲げられるか」が変わってくるので、設計段階で無理のない範囲を確認しておきたいところです。

溶接:強度が要るところ、形状が複雑なところ

曲げだけでは形にならない場合や、複数の部材を組み合わせる必要がある場合は、溶接の出番になります。

溶接は母材そのものを溶かして接合するので、強度が出しやすいのが利点です。圧力がかかる部分や、構造的に荷重を受ける部分では、溶接を選ぶ場面が多くなります。

一方で、熱の入り方によって歪みが出ることがあります。薄肉のパイプや、精度が厳しい部品では、この歪みをどう抑えるかが腕の見せどころになってきます。溶接後の寸法まで含めて考えられるかどうかで、仕上がりに差が出るところです。

ロウ付け:熱を抑えたいとき、異種金属をつなぐとき

ロウ付けは、母材は溶かさずに、間に入れたロウ材を溶かして接合する方法です。

母材が溶けないぶん熱の影響が小さく、薄肉の部品や細径のパイプでも歪みを抑えやすい。銅とステンレスのような異種金属同士をつなげるのも、ロウ付けの得意なところです。熱交換器まわりで銅パイプの接合にロウ付けがよく使われるのは、このあたりの相性が良いからだったりします。

ただ、溶接ほどの強度は出しにくいので、高い荷重や圧力がかかる部分には向かないことがあります。使用環境の温度によっては、ロウ材が持たない場合もあります。

実際は「組み合わせ」で考えることが多い

こうして並べると選択肢が三つあるように見えますが、実際の部品では組み合わせて使うことがほとんどです。

主要な形状は曲げで作って、分岐する部分だけ溶接する。細い配管の接合はロウ付けで、フランジ部分は溶接で。一つの部品の中で、部位ごとに適した方法を使い分けていく形になります。

だからこそ、それぞれの加工を別々の業者に振るより、一貫して見てもらえるほうが結果的にまとまりやすいです。曲げの精度が溶接の合わせに効いてきたり、溶接の熱が全体の寸法に影響したり、工程同士が絡み合っているからです。

迷ったら、図面の段階で聞いてしまうのが早い

どの方法が向いているかは、形状だけでなく、素材・肉厚・使用環境・数量によっても変わってきます。カタログ的な正解があるわけではないので、図面の段階で加工側に聞いてしまうのが一番早いです。

「この形状なら溶接よりロウ付けのほうが」「ここは曲げで一本にできる」といった話は、現場を知っている相手ほど具体的に出てきます。

「この形状をどう作るのが良いか相談したい」「素材の選定から見てほしい」という段階からでも、お気軽にご相談ください。

辰己屋金属株式会社 代表取締役社長 奥出真通

辰己屋金属株式会社
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