magazine
新着情報

切削加工事業のご紹介:非鉄金属の精密切削からパイプ複合加工までの一貫体制
2026.04.30
-
未分類
1. 辰己屋金属における切削加工事業の定義と市場へのコミットメント
辰己屋金属株式会社の切削加工事業は、単なる工作機械のオペレーションを指すものではありません。私たちは、創業より一貫して非鉄金属、特にパイプ加工の分野で日本のモノづくりを支えてきました。その歩みの中で、お客様の製品開発が高度化するにつれ、「パイプ単体ではなく、精密な削り出し部品と組み合わせたアッセンブリ状態で納品してほしい」というニーズが爆発的に増加しました。
この市場の切実な声に応えるべく、私たちは戦略的に工作機械の導入と技術者の育成を強化し、現在の「切削加工事業」を確立させました。当事業が目指すのは、単なるパーツサプライヤーではなく、設計者の頭の中にある構想を、最も効率的かつ高精度に具体化する「技術パートナー」としての地位です。東大阪というモノづくりの集積地において、非鉄金属の特性を最も深く理解しているからこそ提供できる、独自の切削ソリューションを日々磨き続けています。
2. 切削加工事業の技術的核:非鉄金属への特化と専門性
当事業が取り扱う素材の多くは、銅、アルミニウム、真鍮といった非鉄金属です。これらの素材は鉄系材料に比べて「削りやすい」と誤解されることもありますが、精密加工の領域においては、特有の難しさが存在します。当事業では、これら「非鉄金属特有の課題」をシッカリと克服するための専門技術を蓄積しています。
2-1. 銅(純銅・合金)の精密切削加工
銅は優れた熱伝導性と導電性を持つ一方で、切削時には「粘り」が強く、工具の刃先に素材がこびりつく「溶着」が頻発します。これが原因で、加工面の粗さが悪化したり、工具が破損したりすることが多々あります。
当事業では、この溶着を抑制するために、鋭利な刃先を持つ超硬工具や、表面摩擦を極限まで低減した特殊コーティング工具を採用しています。また、加工点へのクーラント供給を最適化し、熱変位を最小限に抑えることで、電力インフラや電気自動車(EV)用部品に求められる厳しい寸法公差をシッカリと維持しています。
2-2. アルミニウム合金の高速・高品位加工
アルミニウムは軽量で加工性に優れますが、高速加工時の「バリ」の発生や、薄肉部における「歪み」が品質上の大きな壁となります。
当事業のマシニングセンタ群は、高回転・高精度の主軸(スピンドル)を備えており、アルミの特性を活かした高速切削を可能にしています。また、ワークを固定する治具の設計においても、素材へのストレスを分散させる工夫を施し、幾何公差を厳守した平坦度や直角度を実現しています。これにより、半導体製造装置や光学機器などの、極めてデリケートな部品製作にも対応しています。
2-3. 真鍮および特殊合金の安定供給
真鍮(黄銅)は切削性に優れていますが、当事業ではそこに「量産安定性」を掛け合わせています。NC旋盤や自動機による連続加工において、刃物の摩耗をリアルタイムで監視し、常に一定のクオリティを保つ管理体制を構築。通信機器のコネクタやバルブ部品など、大量かつ高精度が求められる案件においても、納期の遅延や品質のバラツキを一切許しません。
3. 切削加工事業を支える主要設備とインフラ
高品質な製品を安定して供給するためには、属人的な技術だけでなく、それを具現化するための設備力が不可欠です。当事業では、最新の工作機械と測定機器をシッカリと配備しています。
3-1. マシニングセンタ(3軸・多軸対応)
複雑な形状をアルミや銅のブロックから削り出す、当事業の主力設備です。高速かつ高剛性な機械選定により、微細なポケット加工から、大がかりな筐体部品の面出しまで、幅広いサイズと難易度に対応しています。最新のCAD/CAMシステムとの連携により、複雑な三次元曲面を持つパーツも、デジタルデータから正確に再現します。
3-2. NC旋盤および複合加工機
丸物パーツの加工において、圧倒的な効率と精度を誇るのがNC旋盤です。当事業では、さらに旋削とミーリングを一台で行える「複合加工機」を積極的に活用しています。これにより、一度のチャッキングで旋盤工程とフライス工程を完結させ、工程間の積み換えによる芯ズレや誤差の発生を根底から排除。圧倒的な幾何公差の遵守を実現しています。
3-3. 三次元測定機と品質保証室
「測定できないものは作れない」という信念のもと、恒温管理された品質保証室に三次元測定機、画像測定器、表面粗さ計などを完備しています。加工後のワークは、設計図面に記載された公差に基づき、全方位から厳格に検査されます。数値データに基づいた検査成績書を発行し、お客様が安心して次工程へ進める体制を整えています。
4. 切削加工事業の最大の特徴:「パイプ×切削」の一貫生産体制
辰己屋金属の切削加工事業が、単なる加工会社と一線を画す最大の理由は、創業事業であるパイプ加工との高度な融合にあります。これは、お客様にとって単なる「一括発注」以上の、戦略的なメリットをもたらします。
4-1. 垂直統合による工程管理の劇的な効率化
多くの製造現場では、パイプ加工はA社、切削部品はB社、それらの接合(ロウ付け・溶接)はC社というように、工程が細分化されています。これにより、各社間の輸送コスト、納期調整の煩雑さ、品質責任の所在の不明確さといった問題が生じます。
当事業では、自社内でパイプの曲げ・拡管加工を行い、その先端に自社で削り出した精密切削パーツを組み付け、接合し、最終検査までを一箇所で行います。この「垂直統合」により、中間在庫の削減と圧倒的なリードタイム短縮をシッカリと実現します。
4-2. 複合加工による新たな価値の創出
例えば、「曲げ加工を施したパイプの側面に、位置精度よくネジ穴を開ける」「パイプの中に切削で作った複雑なスリーブを圧入し、気密性を保つ」といった加工は、それぞれの技術を熟知した者同士が連携しなければ成立しません。当社の切削加工事業は、パイプ部門の技術者と密に連携し、単体加工では不可能な「複雑なアッセンブリ品」を高精度に仕上げる独自のノウハウを持っています。
5. 事業方針としてのVE(バリュー・エンジニアリング)提案
当事業は、単に「図面通りのものを納める」ことをゴールとしていません。お客様の製品の機能・品質を維持しつつ、いかにコストを下げるかというVE提案を積極的に行っています。
5-1. 材料歩留まりの改善提案
全てを巨大な地金から削り出している部品に対し、パイプ材や異形材をベースに使用することを提案します。これにより、削り出す体積(切り粉になる量)を最小限に抑え、材料コストと加工時間の双方を劇的に削減した事例が多数あります。
5-2. 部品一体化による信頼性向上
溶接やボルト締めで接合していた複数のパーツを、高精度のマシニング加工による「一体削り出し」へ変更する提案です。接合部からのリーク(漏れ)リスクを物理的にゼロにし、部品点数を減らすことで、最終的な製品の信頼性と組み立て効率を飛躍的に高めます。
6. 事業の信頼性を支える受注・生産フロー
お客様の安心感を支えるため、当事業では情報の透明性を重視したフローを構築しています。
- テクニカルヒアリング: 図面だけでなく、その部品が「どこで、どう使われるのか」をシッカリと伺います。
- 試作・プロトタイピング: 量産化に向けた課題を洗い出すため、一点からの試作に迅速に対応します。
- 工程設計の最適化: 複数の加工ルートから、最もコストと精度のバランスが良い方法を選定し、お見積りを提示します。
- 本製作と中間検査: 加工の各段階で自主検査を行い、不良品の発生を未然に防ぎます。
- 最終品質保証: 全数検査を含む厳格な最終チェックを経て、梱包・配送いたします。
7. 切削加工事業の未来展望:次世代の製造ソリューションへ
私たちは、非鉄金属の切削加工事業を通じて、社会の進化に貢献したいと考えています。
現在のEVシフト、半導体産業の再興、ロボティクスの普及。これらの最先端分野では、常に「より軽く、より強く、より熱を逃がす」ための複雑な形状が必要とされています。
辰己屋金属の切削加工事業は、それらの高い要求に対し、東大阪のモノづくりネットワークと最新のデジタル技術を駆使して応え続けます。今後も新たな設備の導入や、難削材への挑戦を止めず、お客様にとって「不可能を可能にするパートナー」であり続けることをお約束します。
8. お問い合わせについて
切削加工、およびパイプとの複合加工に関する課題をお持ちの方は、ぜひ当事業までご相談ください。
「設計段階でアドバイスが欲しい」「既存製品のコストを下げたい」といったご要望に対し、当社の技術スタッフが誠心誠意、最適なソリューションを共に検討させていただきます。辰己屋金属の切削加工事業が、貴社のモノづくりの可能性をさらに広げます。
辰己屋金属株式会社 代表取締役社長 奥出真通