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金属のスリット加工とは|条材の幅・厚みを整える工程の話

2026.09.02

  • 未分類

そもそもスリット加工とは何か

金属のスリット加工とは、幅の広いコイル状の金属材料を、必要な幅に切り分けていく加工のことです。

金属材料は、製造された段階では幅の広いコイルや板の状態になっていることが多く、そのままでは製品には使えません。実際に部品や製品に使うには、決まった幅に整えてあげる必要があります。この「幅を揃えて切り分ける」工程がスリット加工で、いわば金属加工の入り口にあたる工程だったりします。

やっていること自体はシンプルに見えますが、切り分けた材料はそのまま次の加工に回っていくので、ここでの仕上がりが後工程の土台になります。幅がきちんと揃っているか、切り口がきれいか、材料が波打っていないか。こうした仕上がりが甘いと、次の曲げや切削の段階で寸法が合わなくなったり、思わぬ手間が増えたりする。地味な工程ですが、後々まで影響してくる大事なところです。

仕上がりを左右するのは、テンションの管理

スリット加工できれいな仕上がりを出すために、特に効いてくるのがテンションの管理です。

スリット加工では、材料に適切な張力(テンション)をかけながら刃に通していきます。このテンションが安定していないと、幅の精度が出なかったり、切り分けた材料が反ったり波打ったりします。ぴんと張りすぎても、緩すぎても、それぞれ別の不具合が出てくるので、ちょうどいい塩梅を保ち続けることが求められます。

やっかいなのは、この「ちょうどいいテンション」が材質や板厚によって変わってくることです。銅なのか黄銅なのか、薄いのか厚いのか、その組み合わせごとに適したテンションは違ってきます。だから、材料に合わせて送りやテンションを細かく調整していくことになる。ここが安定してできるかどうかで、仕上がりにはっきり差が出てきます。

板厚が厚くなるほど、難易度は一気に上がる

同じスリット加工でも、板厚が厚くなると話が変わってきて、難易度は一気に上がります。

厚い材料はそれだけ刃にかかる負荷が大きくなります。この負荷が刃の状態を少しずつ変えていくので、加工の途中で切れ味やバリの出方が変わってくることがある。薄物なら気にならなかった刃の摩耗が、厚物では仕上がりにそのまま響いてきます。テンションの管理も、厚物では薄物と勝手が違うので、同じ感覚で通すとうまくいきません。

さらに、銅や黄銅といった非鉄金属になると、独特の難しさが加わります。銅は柔らかく粘りがあるので、刃への絡みつきやバリが出やすかったり、テンションのかけ方によって伸びや変形が起きやすかったりします。鉄系の材料とはまた違った勘所が必要になるので、厚みのある非鉄条材のスリットは、設備のスペックだけでは語れない、現場の経験値がものを言う領域だったりします。

どんな材料でも同じではない、という前提

こうして見ていくと、スリット加工は「材料を幅に切るだけ」の単純な工程ではないことが伝わるかと思います。

材質、板厚、幅、求められる精度。この組み合わせごとに、適した刃の組み方も、送りも、テンションも変わってきます。特に非鉄金属の厚物になると、日常的にその材料を扱っていて、勘所を分かっている現場かどうかで仕上がりが変わってくる。だからこそ、どんな材料をどんな精度で切りたいのかを、最初に具体的に相談できると、話が早いことが多いです。

「この材質・この幅でスリットしたい」「厚みのある材料を精度よく切りたい」という段階からでも、お気軽にご相談ください。

辰己屋金属株式会社 代表取締役社長 奥出真通

辰己屋金属株式会社
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