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切削加工の材質はどう選ぶか|銅・アルミ・真鍮・ステンレスの違いと選定基準
2026.06.18
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「とりあえずステンレスで」が一番もったいない
切削加工を依頼する際、素材選定で悩む設計者は多いです。強度が欲しいから鉄系、なんとなく丈夫そうだからステンレス。そういった理由で素材を決めてしまうケースも見かけます。
ただ、素材選定は製品のコスト・性能・加工のしやすさに直結する重要な工程です。「とりあえず安心できる素材」を選んだ結果、必要以上にコストが高くなったり、本来の性能を発揮できなかったりすることがあります。
今回は、切削加工で使われる代表的な素材の特徴と、選定の考え方を整理します。
素材選定で考えるべき3つの視点
求める機能は何か
導電性・熱伝導性・耐食性・軽量性・強度。製品に求める機能によって、最適な素材は変わってきます。
熱を逃がしたいなら銅やアルミ。電気を通したいなら銅。軽さを優先するならアルミ。耐食性が必要ならステンレスや真鍮。まず「この部品は何のために存在するのか」を整理することが、素材選定の出発点になります。
加工のしやすさとコストへの影響
素材によって加工の難易度は大きく異なり、それがそのまま加工コストに反映されます。
加工しやすい素材は工具の摩耗が少なく、加工時間も短縮できるため、コストを抑えやすいです。逆に難削材は工具費・加工時間ともに増加し、コストが上がります。
入手性とリードタイム
「機能的には最適だが、その素材は入手に時間がかかる」というケースもあります。素材の在庫状況や調達リードタイムも、選定における重要な要素です。
代表的な素材の特徴
銅(純銅・銅合金)
導電性・熱伝導性が金属の中でもトップクラスで、電気部品・熱交換器・EV用の冷却部品などに使われます。
加工の難易度はやや高めです。粘りが強く、刃先に素材がこびりつく「溶着」が起きやすいという特性があります。専用工具と適切な切削条件が必要になるため、銅の加工実績がある業者を選ぶことが重要です。コストは素材価格自体が比較的高く、加工費もやや高くなる傾向があります。
アルミニウム合金
軽量で加工性に優れ、航空宇宙・自動車・電子機器・半導体製造装置など幅広い分野で使われています。
高速切削が可能で加工時間を短縮しやすい一方、薄肉部の歪みやバリの発生に注意が必要です。コストは比較的抑えやすく、軽量化を求める製品には第一候補になりやすい素材です。
真鍮(黄銅)
銅と亜鉛の合金で、切削性に優れています。バルブ・コネクタ・精密機器のシャフトなど、小型かつ高精度が求められる部品に多く使われます。
加工自体は比較的しやすい素材ですが、量産における精度の安定性が課題になることがあります。コストは銅よりやや抑えやすく、装飾性の高い色味を活かした用途にも向いています。
ステンレス
耐食性・強度に優れ、医療機器・食品関連機器・建築金物など幅広い分野で使われます。
加工の難易度は高めです。硬度が高く粘りもあるため、工具の摩耗が早く加工時間もかかります。コストは素材自体・加工費ともに高くなりやすい傾向があります。「とりあえずステンレス」を選ぶと、本来そこまでの耐食性が必要ない部品にもコストをかけてしまうことがあります。
素材選定でよくある失敗
過剰な性能を求めてコストが上がる
実際の使用環境を考えると不要な耐食性・強度を持つ素材を選んでしまい、コストが必要以上に上がるケースがあります。使用環境・耐久年数の想定をもとに、必要十分な性能の素材を選ぶことが大切です。
加工性を考えずに素材だけで決める
機能面だけを見て素材を決め、加工の難易度やコストへの影響を考慮しないまま発注してしまうケースもあります。素材を決める前に、加工業者に相談しておくと、コストや納期の見通しが立てやすくなります。
代替素材の検討をしない
「この素材でなければならない」と思い込んでいる場合でも、実は代替素材で同等の性能を発揮できることがあります。材料に詳しい業者であれば、コストを抑えながら同じ機能を実現できる代替素材を提案できる場合があります。
迷ったら、加工業者に相談するのが早い
素材選定は、設計者だけで完璧に判断するのが難しい領域です。素材ごとの加工特性・コスト・入手性は、実際に加工している現場の方が詳しいことが多いからです。
辰己屋金属では、材料商社としての知見と切削加工の現場経験をもとに、用途に合った素材の提案を行っています。「この機能ならどの素材がいいか」「コストを抑えながら同等の性能を出したい」という相談からでも対応しています。
辰己屋金属株式会社 代表取締役社長 奥出真通
辰己屋金属株式会社
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